5年後10年後に差がつくリフォーム会社
2018-04-23 フッターバナー
今のお住まいを維持管理して行くうえで必要となる費用は、生涯で一体いくら掛かるのか考えられたことがありますか?
今後のインフレ率によって変わりますが、戸建ての木造住宅ではだいたい1700万円~1800万円が必要です。
驚かれた方も多いと思います。
お客さまに尋ねると500万円~700万円と思われる方が一番多いように感じます。
戸建て住宅を買われたばかりの30代の方で、200万円と言われた方もおられます。
1000万円以上掛かると思われる方は稀で、すでにリフォーム経験のある方たちです。
戸建て住宅を買うときには資金の工面を一所懸命に計算するのですが、手に入れたあとの家屋のメンテナンス費用までは考えないのが常のようです。
ところが、家を買ったと同時に維持管理はスタートすると言っても過言ではありません。
現存する世界最古の木造建築は、奈良県にある法隆寺の五重塔だと聞かれたことがあると思いますが、法隆寺西側に宮大工が代々住んでいたという話は興味深いものがあります。
技術を代々継承して維持管理をきっちり行って来られたからこそ、木造建築が1300年持ったのですね。
ひとくちに1300年の維持管理と言っても、建材の吟味とメンテナンス費用の確保は見逃すわけにはいきません。
まず、木造家屋の外壁を見てみましょう。
現在いちばん良く使われている外壁材は防火性に優れた窯業系サイディングです。昭和40年代に窯業系サイディングが誕生してから左官職人が居なくても大工が施工できるということで、それまで主流だったモルタルから窯業系サイディングに代わって来たのです。
ところが、窯業系サイディングの基材は吸水性があり、防水機能は塗膜によって補っています。塗膜が劣化すると雨などの影響により建物の構造に大きな影響を与えることがあります。
そのため7~10年を目安に塗装等のメンテナンスが必要になって来ます。窯業系サイディングを触ると白い粉がつく状態になると防水効果が切れたサインです。
また、窯業系サイディングの外壁には目地があり、シール材が入れてあります。新しいうちは手の爪で押してみると柔らかいことが良くわかりますが、やがて固くなってヒビが入ってくると防水効果が失われた状態です。
外壁の塗装には足場を組むので、同時にシールの打ち替えや打ち増しを行うのが経済的です。
次に木造家屋の屋根を見てみましょう。
だいたい築35年以内なら屋根の構造は、大きく分けて上部から屋根材・ルーフィング・野地板・・・となっています。
健常な屋根なら、たとえ雨水が屋根材の下に侵入してもルーフィングがあるので雨漏りが起きません。大切なのはルーフィングです。このルーフィングを守るために屋根材があるとお考えいただいても良いと思います。ルーフィングの耐用年数は25年から27年と言われています。もしカラーベストなどの屋根材なら屋根塗装を10年を目安に行なうべきなので、築30年のタイミングでは屋根塗装を行わず、ルーフィングの交換のためにカラーベストを葺き替えし、外壁塗装とシール打ち替えも同時に行うと経済的です。勿論、屋根のカバー工法も視野に入れればよいと思います。
住宅設備機器はどうでしょうか。
新築から10年ごとに一定の機器交換が発生してきます。燃焼系のガスコンロやガス給湯器がこれにあたります。
概ね築30年でシステムバスやシステムキッチンなど水回りや屋根を葺き替えるなど大掛かりなリフォームが必要になります。
この大掛かりなリフォーム後も10年ごとに機器交換や外壁塗装を行うサイクルの繰り返しになります。
戸建て住宅で気を付けなければいけないこと。
戸建て住宅もマンションも維持管理はどちらも必要です。
大きな違いはマンションの場合には修繕積立金を毎月徴収し、積み立てています。その費用によって管理組合が外壁塗装や屋上防水、エレベーターの交換など共有部分の維持管理を行っています。
マンションに住まわれている場合は毎月の修繕積立金を計算に入れると、戸建て住宅よりやや少ない金額ですが1500万円~1600万円程度の費用が掛かります。
上記のようにマンションの場合、外部の維持管理に関しては、強制的に徴収される修繕積立金のおかげであまり費用の心配がいらないのですが、戸建て住宅の場合には費用を含めてご自分で計画しなければなりません。
目一杯の住宅ローンを組まれた場合などではメンテナンス費用の捻出が出来ず、早い時期に家屋を老朽させてしまうケースもあるようです。
家を購入するときの資金計画では、このメンテナンス計画まで考慮すべきなのです。
具体的な住宅維持管理の流れと金額について
では、少し具体的にメンテナンスの項目や費用を見てみましょう。
新築の戸建て住宅を購入した場合では、10年後にガス給湯器、ガスコンロ、洗浄便座等の交換と、外壁・屋根塗装が必要となり、費用は約150~200万円になります。
築20年でも同じようにガス給湯器、ガスコンロ、洗浄便座等の交換と、外壁・屋根塗装、クロスや畳、フローリングなども改修する時期になって来るので、費用は約200~300万円掛かってきます。
築30年には、すべての水回りリフォームや屋根の葺き替え、外壁塗装といった大きな規模でのリフォームが必要になってきます。その費用は概ね1000万円以上です。
更に築40年でも、約150~200万円のリフォームが必要になるといった流れです。
仮に35才で戸建ての新築物件を購入したとすると、65才で大規模リフォームを行う時期になります。
築40年目のリフォームは75才で巡ってきます。新築からの累計総額は安く見積もっても1700万円掛かることになります。
家屋のメンテナンス行わず、まだ大丈夫だと我慢して放置しておくことで、建物の構造体まで痛めてしまうと大工事になったり、取り壊すことにも成りかねません。
新築時からメンテナンス計画を立てて、それを実行していれば突然大きな問題に出くわすこともないですし、給湯器なども計画的に交換することで、不具合が発生したときの緊急的な修理費用の発生や不便さを味わうこともないと思います。
実際にリフォーム会社を経営している者が、お客さま宅に出会って感じ取ってきた個人的な価値観で述べています。
住宅の修繕やリフォームは自分の家だけが必要となるのではありません。時期や費用に多少のずれがあっても、どこの家屋にも同じような修繕やリフォームが必要になってくるものなのです。